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かぜの基礎知識と感染経路
「かぜの正体」ってどんなもの?
かぜと一口でいってもさまざまですね。頭痛、鼻水、セキ、くしゃみ…などのかぜの症状は、誰にとっても覚えのあるものでしょう。ごく軽いもの含めると、1人の人が1年間に平均して約6回もかぜにかかっているのだそうです。
普通はごく軽い症状で、しかも1週間程度の短い経過でなおる病気なので、それほど重要視されませんが「かぜは万病のもと」の言葉どおり、甘く見てはいけません。特に抵抗力の弱い子供の場合、こじらせて、気管支炎や肺炎、中耳炎、副耳腔炎、髄膜炎、脳炎などを併発してしまう例も少なくありませんし、かぜかな? と思っていたら、関節リウマチや膠原病、川崎病、白血病など、まったく違う重病だった、という例もあります。
ところで、厳密には「かぜ」という独立した病気は存在しません。「かぜ」はあくまで症状名で、独立した病名、原因診断名ではないのです。
それではどんな病気を「かぜ」と呼んでいるのでしょうか。さまざまな原因によって起こる「急性に起こる呼吸器粘膜の炎症性疾患」をひとまとめにして「かぜ症候群」と呼んでいるのです。症候群とは、さまざまな原因でいくつかの症状が集まり、ある特徴的な病像が作られるもの。逆にいえば、セキやくしゃみ、発熱など、かぜの症状があれば「かぜをひいた」といえるのです。
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